不整脈|宇治市のべっぷ内科クリニック|宇治半白 JR宇治駅 JR・近鉄小倉駅

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不整脈

心臓は、電気で動いています

心臓は、全身の血管に血液を送るポンプの働きがあります。心臓に返ってきた血液を溜めて、また全身に送り出すといった、血液ポンプの仕事を1日に約10万回も行っています。
そんな心臓を動かしているのは、「電気」です。心臓自らが電気を作り出し、心臓の筋肉全体に電気を送るシステム(刺激伝導系)が存在します。

心臓の発電&送電システム(刺激伝導系)

1分間に60回、80回と心臓が拍動するペースを決めているのが右心房にある洞結節です。洞結節から放たれた電気は左右の心房を通った後に、一旦、房室結節に集まります。房室結節に集まった電気は、ヒス束へ流れ、ここから左右の心室へ向かうために右脚と左脚という二股にわかれます。最後に左右の心筋にまんべんなく電気を伝えるプルキンエ線維へと電気が流れる道がつながっていきます。

心臓の発電&送電システム(刺激伝導系)のイメージ図

心臓の送電システムは、家庭に電気が送られる仕組みと同じ

刺激伝導系、プルキンエ線維・・・難しいですよね。もっと簡単にイメージするために、私たちが普段使うテレビや掃除機などの「家電」が動く仕組み、家庭に電気が送られてくる仕組みと同じと思えば、理解しやすいかもしれません。

発電所が作った電気は→電線を伝わって→家庭に届けられ→家電が動く

発電、送電システムのイメージ図

発電、送電システムの異常があると、家電は正常に動きません

発電所が故障して電気を作れなかったり、電気を届ける電線が断線していると私たちの家庭に電気は届きません。もちろん家電も動きません。

不整脈=発電&送電システムの故障

不整脈=発電&送電システムの故障のイメージ図

このように、心臓が正常に動くためには、発電所や送電線が重要となります。
発電所(洞結節)の異常や、送電線(房室結節、左右脚など)の断線などが生じると、心臓が動くタイミングがズレたり、回数が足らなくなったり、早く動かしすぎたり・・・など、心臓の動きの異常が生じるようになります。

このように、心臓を動かすための発電&送電システムの異常が不整脈になります。

不整脈の種類は?

不整脈の種類はたくさんありますが、主に脈が速くなる頻脈と、脈が遅くなる徐脈に大きく分類されます。どういった不整脈が出ているのかは、心電図検査で診断が行われます。

心電図を測定している男性のイメージ図

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不整脈の分類

  洞結節機能不全 房室ブロック
徐脈 洞性徐脈
洞房ブロック
洞停止
1度房室ブロック
2度房室ブロック
(ウェンケバッハ型、モビッツⅡ型)
高度房室ブロック
3度(完全)房室ブロック
  上室性 心室性
頻脈 洞性頻脈
心房性期外収縮
心房頻拍
発作性上室性頻拍
心房粗動
心房細動
心室性期外収縮
心室頻拍
心室細動

心電図「約160拍/分の頻脈」

心電図「約37拍/分の徐脈」

不整脈の検査とはどのようなものですか?

まずは心電図検査を行います。
不整脈の頻度や、検査以外での発生状況を把握するために24時間心電図(ホルター心電図)を実施し、長時間心臓の動きを確認する検査を行います。
不整脈には顔つきの悪い(悪性の)不整脈と顔つきの良い(良性の)不整脈があります。顔つきの悪い不整脈は治療をしなければ命に関わりますので、その評価のために心臓エコー検査は必須となります。心機能(心臓のポンプ機能)の悪い患者さんの不整脈は悪性度の高い不整脈のことが多く、循環器専門医による評価が必要な疾患となります。また顔つきの良い不整脈でも、1.症状が強い場合、や2.心不全のある場合、は治療の適応となります。心不全の有無については、患者さんの身体所見と、胸部レントゲン撮影、採血などを組み合わせて診断、治療の適応の有無を判断します。
また、甲状腺疾患、貧血、低血糖などその他の疾患も採血で判断できます。

不整脈の診断、心電図を測定している男性と24時間心電図を装着している男性のイメージ図

心臓エコー検査、胸部レントゲン、採血など不整脈の原因を追及しているイメージ図

不整脈の症状は?

主に頻脈による「動悸」と、徐脈による「ふらつき」との2パターンがあります。

動悸

動悸は多くの方が感じた経験をお持ちだと思います。多くの人の前で話をする時や試験の時など。患者さんが「動悸」でクリニックに来られる時は「心臓は大丈夫?」とご不安になられているのを感じます。動悸の症状としては、

(1)ウッ!・・・脈がとぶ感じ、胸がつまる感じ
(2)ドクンドクン・・・鼓動が大きく感じる
(3)ドキドキ・・・鼓動が速い
の3つが多いです。

動悸が激しい女性のイメージ図

(1)は、胸がつまったり、飛んだりして気持ち悪いことが多いですが、良性の不整脈(期外収縮)によることが多く、大きな問題とならないことが多いです。

心電図「心室性期外収縮」

(2)(3)は、緊張したり、不安のために自律神経が不安定になることでも起こりうるもので、洞性頻脈などがあります。基本的には治療の必要はありません。

心電図「約150拍/分の洞性頻脈」

しかし、中には下図の心房細動など治療が必要な不整脈も存在します。放っておくと、心不全や脳梗塞など重篤な合併症へつながる恐れがあります。

心電図「頻脈性心房細動」

動悸症状に対しては、問診である程度の予想を立てつつ、心電図検査で不整脈の特定を行い、経過観察なのか、治療なのかを見極めます。

ふらつき

徐脈性不整脈(脈が遅くなるタイプの不整脈)に伴う眩暈や、ふらつきといった症状は、心臓の拍動がゆっくりになり過ぎて、脳への血流が不足することで生じます。
正常な心臓は、安静時に1分間に60~80回拍動していますが、徐脈性不整脈では50回以下、時には1分間に20~30回しか拍動しなくなることもあります。
50回程度で「ふらつき」や「倦怠感」を感じる方もいれば、40回程度にならないと症状を感じない方など、症状の現れ方には個人差があります。

眩暈や、ふらついている女性のイメージ図

心電図「2度房室ブロック(39拍/分)」

心電図「洞停止(37拍/分)」

頻脈性不整脈(脈が速くなるタイプ)の治療は?

治療が必要なものとしては、「発作性心房細動」や「発作性上室性頻拍症」がその大半を占めます。
「発作性心房細動」は以前は薬物で治療をしていましたが、最近はカテーテルアブレーションの治療成績が良好なため、最初からアブレーションを選択することが多くなっています。治療後の再発予防のためには1.生活習慣の改善や2.運動療法が必要で、それでも再発する場合は、薬物を併用して管理をします。

1.手術(カテーテルアブレーション)

専用のカテーテルで不整脈を起こす原因となっている異常な電気興奮の発生個所を焼き切る(焼灼する)治療法です。「発作性上室性頻拍症」は、ほぼ全てをカテーテルアブレーションで根治できますので、逆に薬物で治療をすることはほとんどありません。再発も稀で、治療により症状が劇的になくなりますので大変喜ばれる疾患の一つです。

カテーテルの挿入

足の付け根や首の付け根からカテーテルという細い管を血管に挿入し、心臓まで進めていきます。

カテーテル挿入のイメージ図
不整脈を発している場所を確認

カテーテルの先端にある電極で、不整脈を発している心臓の部位を特定します。

検査機器で不整脈を発している場所を確認している医師のイメージ図
不整脈を発している部位を焼き切ります

カテーテル先端の温度を約60℃まで上昇させ、それを不整脈を発している個所に押し当て、不正な電気の流れを断ち切ることで不整脈を止めます。

カテーテルを抜く

カテーテルを抜いて、挿入部の止血を行って治療は終了です。
治療時間は2~4時間です。
入院期間は1週間程度となります。

看護師が患者さんのカテーテルを抜いているイメージ図

【治療後】
治療後は、カテーテルを挿入する部位の傷が落ち着くまでの2週間前後は、きつい運動は控えて頂くことはありますが、それ以外は特に制限なく生活が可能です。
また昨今のカテーテルアブレーション治療の発達はめざましく、不整脈を根治することでお薬を飲まなくてもよくなる症例も増えてきており、患者さんにとって大きな福音となっています。

2.生活習慣改善

生活習慣病を引き起こす原因となるコーヒー、たばこ、ストレスのイメージ図

タバコ、コーヒーなどのカフェイン摂取過剰、ストレス、睡眠不足は、自律神経の状態を不安定にさせることで、不整脈を増やします。バランスの良い生活習慣を送ることが不整脈を起こさない一番の治療法です。

3.運動療法

男女がウォーキングをしているイメージ図

運動療法は、自律神経の状態を良好に保ち、不整脈を減らす効果があります。バランスの良い生活習慣の一つでもあり、生活の質を上げるために是非お勧めします。ただきつい運動は逆に不整脈を増やすことにつながるため、適切な運動量を行うことが必要です。

4.薬物治療

血栓ができなくなるように血をサラサラにする薬(抗凝固薬)のイメージ図

「発作性心房細動」に対して、カテーテルアブレーションのみでは対応できない場合に使用をします。また「発作性心房細動」は血の塊(血栓)ができて脳梗塞を起こしてしまうため、高血圧や糖尿病などを併発している患者さんは、血栓ができなくなるように血をサラサラにする薬(抗凝固薬)が必要となります。

徐脈性不整脈(脈が遅くなるタイプ)の治療は?

服用中のお薬の副作用として、脈が遅くなっている(徐脈が生じている)場合には、薬剤の中止や、他剤への変更を検討します。

脈を速くするお薬もありますが、心臓に病気がある方に使用するとかえって心臓の病態を悪化させることにもつながるので、日常生活に支障がない程度の徐脈であれば経過観察を行います。

心臓の拍動が50~40拍/分未満になると、ふらつきなどの症状が強くなり、さらに酷くなると失神など意識を保てなくなることがあります。徐脈に伴う失神症状や、著しく日常生活に支障をきたすふらつき症状などがあれば、ペースメーカーの植込みを行います。

ペースメーカー植込み

ペースメーカーは、基本的には脈が遅い(徐脈)不整脈に対する治療法で、心臓に一定のリズムで電気刺激を与える機器です。ペースメーカーを植え込むことによって、正常な心臓の拍動リズムを取り戻すことができます。

体内にペースメーカーを植込んだイメージ図
ペースメーカーの植込み手術

大きさは500円玉より一回り大きなサイズで、鎖骨の下あたりに植え込むのが一般的です。鎖骨に植え込む場合、胸部の部分麻酔(局所麻酔)にて、約30分~1時間の手術時間となります。(入院期間は約1週間)
ペースメーカーの技術進歩はめざましく、2cm程度のカプセル型リードレスペースメーカーが上市され、切開することなくカテーテルで治療できるようになってきています。

ペースメーカーの定期検査と電池寿命

植え込み後は、ペースメーカーが正常に作動しているか3~6ヶ月ごとに定期的に検査を行います。当院では約20名ほどの患者さんを定期的にフォローしています。その大半が患者さんの自宅から情報を送信する「遠隔モニタリング」に対応しており、機器の異常や不整脈の発生を早期に発見することが可能となっています。また、ペースメーカーの電池の寿命は、ペースメーカーの種類や設定により異なりますが、概ね6~8年ほどです。電池がなくなると、電池交換のために手術が必要となりますが、手術にかかる時間は約30分ほどで、入院も2~3日と、初回の手術と比べて負担は少なくなります。

ペースメーカーの定期検査を受ける女性のイメージ図
ペースメーカー植込み後の日常生活

ペースメーカーは、外部からの電気や磁力に影響を受けることもありますので、いくつか注意していただく点はありますが、基本的には健常時と同じ日常生活が可能です。また以前のペースメーカーはMRI検査を受けることができませんでしたが、最近のペースメーカーはMRI対応となっており制限が少なくなってきています。またスポーツ等も問題ありませんが、一定期間は腕を動かす範囲等に制限をかけることもありますので、必ず専門医に相談してから行うようにして下さい。

ウォーキングを行っている老夫婦のイメージ図
絶対に使用してはいけないもの

・マイクロ波治療機器、電気治療機器類
・磁気共鳴装置(MRI)・・・最近はMRI対応のペースメーカーが標準使用です
・電気風呂 等

注意が必要なもの(影響が出る可能性のあるもの)

・金属探知機
・携帯電話
・体脂肪率計
・コンタクトスポーツ等

当院では、毎週土曜日に不整脈の専門医による不整脈専門外来を行っています。健康診断で心電図異常と指摘された方、動悸やふらつきなど、気になる症状がある方はお気軽にご相談ください。

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