心不全|宇治市のべっぷ内科クリニック|宇治半白 JR宇治駅 JR・近鉄小倉駅

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心不全

人の身体の中枢的存在である心臓

心臓は全身に血液を送り出すポンプの役目をしており、車のエンジンに相当する人の体で一番重要な臓器です。心臓は右心房、左心房、右心室、左心室の4つの部屋にわかれ、それぞれの部屋と部屋は「弁」で隔てられています。弁はポンプの動きに応じて開閉し、血液の逆流を防ぎます。血液の流れは一方通行で、左心室から送り出された血液が全身をめぐって右心房に戻り、右心室から送り出された血液が肺を通って左心房に戻ってきます。

人の身体の中枢的存在である心臓のイメージ画像
心臓は、血管を介して全身のあらゆる組織とつながっていますのイメージ画像

心臓は、血管を介して全身のあらゆる組織とつながっています。まぎれもなく、人の身体の中枢です。
この心臓の働きに異常が生じると、全身の臓器にも影響が及ぶことはこの図からも明らかです。

心不全とは?

心不全(血液を送り出すポンプ機能に異常を生じる)になると、体中が酸素不足、栄養不足に陥ります。それに伴い、疲れやすくなったり、呼吸がし辛くなったり、足が浮腫んだり、手足が冷える…など日常生活に困るような様々な悪影響が生じるようになります。心臓は車のエンジンに相当します。馬力のないエンジン(1000cc)は馬力のあるエンジン(2000cc)に比べてスピードが出ないように、心臓も動きが悪くなると歩いても息があがったり、階段が登れなくなるなどの症状になるのは、想像できるかと思います。

このように、心臓の機能障害により全身の組織が必要とする血液(酸素や栄養)を十分に供給できなくなった状態のことを心不全とよびます。

心不全とは?のイメージ画像

心不全が重症化すると?

呼吸状態が非常に悪くなったり、血圧が保てないなど、命に係わる状態にまで悪化すると、より高度な治療のために入院が必要になります。

心不全が重症化すると?のイメージ画像

心不全が重症化すると?のイメージ画像

また心不全は、繰り返しやすい病態であることに加えて、繰り返すたびに心臓だけでなく全身の臓器が弱っていくので、適切な管理をしていなければ、車椅子生活→寝たきりなど悪化の一途をたどることになります。

日本人の死因と心不全の関係

日本における死因別死亡総数の順位では,心疾患による 死亡は悪性新生物(癌)に次ぎ2番目に多いです。
そのなかでも、心不全による死亡は心疾患の内訳のなかで最も死亡数が多い疾患とされます。心不全による5年生存率は50%と非常に悪いのが現実です。

日本人の死因と心不全の関係のイメージ画像

心不全の発症と経過

心不全の発症と経過のイメージ画像

心不全を発症すると、年月の経過と共に心臓機能・身体機能が低下していきます。上の図はそれを示したグラフです。多くの場合は適切な治療により症状は改善しますが、元通りの元気な心臓や身体機能にまで回復することはないとされています。
程度が軽くても心不全の「悪化⇔寛解」を繰り返すことで、確実に心臓の働きは悪くなり、疲れやすい、すぐに息が上がる、食欲がなくなる、足がむくむ、など身体症状の程度も徐々に目立つようになります。また、途中で急に悪化して突然死することも珍しくありません。
しかし、心不全は治療を早期に開始し、適切な管理の元、適切に治療を受けることで健康な方と、さほど変わりない生活を送ることが可能です。

心不全の発症と、ステージ分類

心不全の発症と、ステージ分類のイメージ画像

心不全の発症と経過のイメージ画像

日本循環器学会は、心不全の進行を4つのステージに分けています。

ステージA

高血圧、糖尿病など将来の心不全につながる危険因子を抱えている段階です。 この段階では、まだ心臓の働きに異常は見られず、心不全の症状も現れていません。

ステージB

心肥大や心拍出量の低下など、心臓機能の変化が現れてきた段階です。心不全の原因になる心筋梗塞、弁膜症、心筋症、不整脈を発症している場合もステージBです。

ステージC

一般に心不全は息切れやむくみなどの症状が現れたときを発症とみなします。したがって、心不全と診断された人は、すでにステージCということになります。

心不全の対策はステージCからではなく、「ステージAやステージBから開始することが大切」ということを示した図となります。

心不全の発症要因にはどんなものがありますか?

心臓
  • 心筋梗塞 心臓の血管が詰まる病気
  • 弁膜症 心臓内の血液の流れを調整する弁の病気
  • 心筋症 心臓の筋肉が異常をきたす病気
  • 不整脈 心臓内を通う電気の流れの異常
動脈硬化、動悸のイメージ画像
高血圧
  • 血液を送りだす為に大きな力が必要となるので、心臓の筋肉が太く大きくなっていきます。心臓の筋肉は大きくなりすぎると、かえって動きが悪くなり心不全の要因となります。
    また、大きな力で血管を押し広げようとするので、血管に負担をかけることになります。血管の炎症は、血管を詰まらせる要因になります。
高血圧のイメージ画像
糖尿病
  • 血糖値が高い状態では血管の炎症が生じやすくなり、血管を詰まらせる心筋梗塞などの要因となります。
栄養バランスの乱れと内臓脂肪増加のイメージ画像
運動不足
  • 運動不足になると生活習慣病の発症リスクが高まります。また単純に体力が無いというだけで、心筋梗塞のリスクが高まるとされています。
運動不足のイメージ画像
喫煙
  • 様々な炎症性物質により血管、心臓機能に悪影響を及ぼします
血管機能の低下のイメージ画像
心不全につながりますのイメージ画像

以上のように、心臓自体の病気のみならず、心臓に負担を強いる全身の病気が心不全につながります。心臓は血管を介して全身のあらゆる組織とつながっています。病気の一部分だけをみずに、あちこちの不調は、巡り巡って心臓に負担を強いることになるという認識が大切です。

心不全の診断を受けている方の再入院に至る原因とは?

心不全の診断を受けている方の再入院に至る原因とは?のイメージ画像

このグラフで注目していただきたいのは再入院の原因です。
「塩分・水分制限の不徹底」「過労」「治療薬服用の不徹底」などが上位を占めています。「塩分を控える」「水分を摂り過ぎない」「疲れをためない」「確実に薬を飲む」といった日常生活がとても大切ということを意識して行動することで、再入院を防ぐことにつながります。

このグラフで注目していただきたいのは再入院の原因です。
「塩分・水分制限の不徹底」「過労」「治療薬服用の不徹底」などが上位を占めています。「塩分を控える」「水分を摂り過ぎない」「疲れをためない」「確実に薬を飲む」といった日常生活がとても大切ということを意識して行動することで、再入院を防ぐことにつながります。

心臓の病気を良好に管理していくためには、医師の力だけでは不十分といえます。「メディカルケア&自己管理」によって、心不全の予後を改善することは可能です。現在の5年生存率50%ではなく、100%に近づけるためにも、自分の身体は自分でメンテナンスする「メディカルケア&自己管理」は必須と考えます。
医師任せにせず、一緒に心不全に対して戦っていきましょう!

心不全の治療の流れはどうなりますか?

心不全治療は、急性心不全と慢性心不全とに分けて考える必要があります。

急性心不全の症状

受診や入院の経緯として最も多いのは、息が苦しい・呼吸出来ない、といった「呼吸困難感」です。安静時の呼吸困難や、夜寝ている時に息がしんどくて目覚めるが座ると少し呼吸が楽になるといった症状(起坐呼吸)も典型的な急性心不全の症状です。重症になると「血圧低下」「ショック」「意識障害」が起こります。 また、呼吸症状以外にも、短期間で体重が増えたり、足のむくみがひどくなっていた、少し動くだけで動悸がしたり疲れやすくなっていた、食欲が無くなっていた、など様々な症状が現れます。

急性心不全の症状のイメージ画像

心不全で呼吸困難になる理由

陸上にいながら、水中で溺れているのと同じ現象が起こっています。 食器洗い用のスポンジを思い浮かべて下さい。ある程度までは水分を吸い込みますが、限界がくると水が滴り落ちてきます。肺の血管でも同じようなことが起こっています。心臓のポンプ機能が低下することで、血液の循環が滞り、肺の血管がパンパンになってしまい、血管から水分が漏れ出してしまいます。漏れ出した水分は、肺を水浸しにしていきますので、正常な呼吸が行えません。これは水中で溺れて呼吸ができないのと同じです。私たちは水の中では呼吸を行えないのです。息を吸いたくてもうまく出来ません。心不全に伴う呼吸困難は我慢していても改善することは考えにくく、早期に適切な呼吸管理、および心不全に対する治療が必要です。

心不全で呼吸困難になる理由のイメージ画像

急性心不全の原因

心筋梗塞、心臓弁膜症、急性心筋・心膜炎、不整脈などの心臓に起因するもの。
細菌感染、貧血、腎機能障害など心臓以外が原因となるものなど様々です。
このように急性心不全の原因は多岐にわたるため、以前から心臓病を患っていた方が徐々に悪くなっていくこともありますし、全く健康な方が急に心不全を発症することもあります。

急性心不全の検査

急性心不全の治療では、呼吸状態の改善や、血圧の保持などの対処療法と共に、原因となる疾患への対処も重要となるため、様々な検査が実施されます。血中酸素濃度、心電図、心臓超音波検査、採血、心臓カテーテル検査などから心不全の重症度や、心不全の原因を探り、治療方針が決定されます。

急性心不全の検査のイメージ画像

急性心不全の治療

基本は入院の上、治療を行うことになります。まずは今以上に心臓への負担を増やさないように安静にしつつ、必要に応じた酸素投与が行われます。同時に、正常な血液循環に復帰できるように、諸検査の結果から利尿剤や血管拡張薬、狭心症などの薬剤を使用します。
薬剤で状態の回復が認められない場合には、補助循環装置などさらに高度な医療管理が必要になる場合もあります。

急性心不全の治療のイメージ画像

心原性ショック

心原性ショックは現代においても致死率が高く、院内死亡率は30~50%と報告されています。心原性ショックに対しては、強心薬や昇圧薬などの薬物療法が行われますが、効果が不十分な場合、もしくは薬物療法の効果を待つ余裕すらない緊急の場合には、補助循環装置の使用が検討されます。これまで広く使用されてきたものとして、大動脈内バルーンパンピング (IABP)や経皮的心肺補助装置 (PCPS)があります。しかし、IABPによる心拍出量の増加は10~20%にすぎないと言われています。またPCPSは条件が整っていれば十分量の補助流量を確保できますが、大腿動脈からの逆行送血であるため、心臓に負荷をかけてしまう欠点があります。

心原性ショックのイメージ画像

慢性心不全の治療の全体像

比較的病態の安定した管理を目指す段階の「慢性心不全」の治療の考え方についてお示しします。
慢性心不全の治療としては、適切な薬を使用すること、生活習慣など自己管理を行うこと、適度な運動といった要素が軸になります。

慢性心不全の治療の全体像のイメージ画像

心不全を管理するにあたり、日々の健康状態を記録していくことは大変重要です。毎日、血圧、脈拍、体重、息切れや疲労感などの自覚症状の有無などの記録をし続けることで、わずかな変化を察知することが可能になります。そうすると重症化する前に、悪化の芽を摘み取ることができるのです。つまり、患者さん自身の日々の身体のメンテナンスと、医師によるわずかな変化の察知、の組み合わせで、心不全の予後を改善させることが可能になるのです。

慢性心不全の治療の全体像のイメージ画像

慢性心不全の検査について

自覚症状のイメージ画像

息切れや、疲労感、動悸といった新たな心不全症状や、症状の悪化がないかなど、体調の変化を把握することが、重症化を見落とさないために必要なこととなります。

血圧測定&体重測定のイメージ画像

息切れなどの自覚症状の他に、血圧や体重などの客観的な評価を行うことも、良好な心不全管理のための重要な要素と言えます。日々の変化を細かく捉えるためにも、毎日行うことをお勧めします。

心臓エコー検査のイメージ画像

超音波検査では、心臓の動きや、血流が正常に流れているかをみることができます。心臓の動きが悪くなっていないかの他、弁膜症など心不全を悪化させる病気の管理にも用いられる検査です。

採血&尿検査のイメージ画像

心臓を含め、体中の臓器の異常は血液や尿の中に現れます。心臓に負担がかかっていないか、また心臓に負担をかける病気がないかなどを検査します。

胸部レントゲン撮影のイメージ画像

心臓の大きさや、肺に水が溜まっていないかなどを視覚的にとらえる検査です。息切れは心不全だけではなく、肺炎などの呼吸器疾患でも生じる為、他の検査と合わせて心臓か、肺か、原因を探るためにも用いられます。

これらの検査をいくつか組み合わせて、病態の確認、治療方針の決定に役立てます。

慢性心不全の治療について(薬物療法)

慢性心不全では、体内の余計な水分を取り除く「利尿剤」、心臓にかかる負担を軽くする「血管拡張剤」、長期にわたると心臓に障害を与えやすい神経・ホルモンの作用を抑制する「ベータ遮断剤」などを組み合わせて治療します。

心臓の負担や症状を和らげる薬
利尿薬

体内の余計な水分を取り除くことで、息切れや、浮腫みといった症状を改善させます。

不整脈を予防する薬
抗不整脈薬

重症心室性不整脈や、それに基づく心停止の既往がある場合に、不整脈発生を抑制する目的で使用されます。

心臓を休ませて心不全の進行を防ぐ薬
ベータ遮断薬

心臓に負担を与える自律神経やホルモンの作用を抑制します。

アンジオテンシン変換酵素阻害薬/アンジオテンシン受容体拮抗薬

血管の収縮を抑えて心臓の負担を軽くさせたり、心筋リモデリングという心臓機能の低下を抑制するために使用されます。

慢性心不全の治療について(非薬物療法)

弱った心臓を助けるために、お薬だけでは不十分なことも多く、近年は様々な機器により、心臓の動きをサポートしてくれるようになりました。

心臓再同期療法(CRT)

心臓はポンプの働きで血液を押し出していますが、心不全になった心臓の筋肉はこのポンプ機能が様々な要因で低下しています。心臓は球体であり、球体全体がタイミングを合わせて一斉に縮む(収縮する)ことで効率的に血液を送り出すことができますが、心不全になった心臓の筋肉はこの「タイミングを合わせて一斉に縮む」ことが出来なくなっていることがあります。
このようにバラバラに動くようになってしまった心臓の筋肉を、適切なタイミングで一斉に動ける(収縮できる)ようにする方法がCRTです。

CRTはペースメーカーと同じような形状で、本体は左右のどちらかの胸(皮下または胸の筋肉の下)に植え込まれて、本体からでたリード線は血管を介して心臓の筋肉に到達し埋め込まれます。不整脈治療で用いるペースメーカーや、後に記載するICDと違い、左右の心室両方にリードが置かれます。左右の心室に置かれたリードから同時に心臓を収縮させる電気が発せられることで、心臓全体が一斉に協調して動くようになり、心臓のポンプ機能が改善します。

植込み型除細動器(ICD)

心不全では、様々な不整脈(心臓の電気の流れの異常)が生じやすく、場合によっては死につながる不整脈が生じることもあります。抗不整脈薬での治療に効果が認められない場合や、薬の効果を待っていられない緊急性のある場合に、植込み型除細動器(ICD)が心臓突然死予防のために適応されます。

ICDはペースメーカーと同じような形状で、本体は左右のどちらかの胸(皮下または胸の筋肉の下)に植え込まれて、本体からでたリード線は血管を介して心臓の筋肉に到達し埋め込まれます。

心臓の筋肉に埋め込まれたリード(センサー)は常に心臓の電気的興奮をモニタリングしており、危険な不整脈を感知すると本体から起こった電気ショックが心臓の筋肉に伝わり、不整脈を止めます。

慢性心不全の治療について(心臓リハビリテーション)

慢性心不全は、様々な病気の行き着く先であり、発症を予防することが最も重要であり、発症後は完治を望むことは難しく、良好な状態を可能な限り維持していくことが非常に重要となります。
前述の慢性心不全の治療の全体像でもお示しした通り、定期受診といった医師側からの管理だけでは不十分で、確実な内服、血圧や自覚症状などの把握、適度な運動といった患者さんご自身の力も、「良好な心不全管理」には非常に重要なポイントととなってきます。
これらのポイントを全て網羅できるシステムが心臓リハビリテーションです。生命予後改善に必要不可欠な血管機能や骨格筋機能の改善のための適切な運動療法を行いつつ、内服管理状況や、食事摂取状況、体調の小さな変化を把握することなど、様々な方面から医学的アプローチを行っていきます。慢性心不全の治療ガイドラインにおいても、心臓リハビリテーションの有効性は最高ランクに位置付けられています。

心臓リハビリテーションについて詳しくはこちら

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