心臓リハビリテーション

心臓リハビリって何?

心臓リハビリテーション(心臓リハビリ)とは、心臓病の患者さんが、体力を回復し自信を取り戻し、快適な家庭生活や社会生活に復帰するとともに、再発や再入院を防止することをめざしておこなう総合的活動プログラムのことです。
内容として、運動療法・生活指導・相談(カウンセリング)などを含みます。
心不全、心筋梗塞、狭心症、心臓手術後などの患者さんは、安静生活を続けたことによって運動能力や体の調節の働きが低下し、退院してもすぐに強い活動はできません。また、どの程度活動しても大丈夫なのかが分からないために不安もあります。
これらに対して心臓リハビリで適切な運動療法を行うことが役に立ちます。
さらに、心臓病の原因となる動脈硬化の進行を防止することをめざして、食事指導などもおこないます。

心臓リハビリテーション指導士がサポートさせていただきます。

心臓リハビリテーション指導士は医療や運動療法にとどまらず、栄養や薬の理解、禁煙指導、病気を機に起きることがある精神的な問題への対応など多岐にわたるため、日本心臓リハビリテーション学会が2000年に認定制度を設けた専門資格です。

心筋梗塞、狭心症の今

心筋梗塞、狭心症の今心臓の病気の一つに急性心筋梗塞があります。
救急医療の進歩に伴い、その院内死亡率は最近40年で20%から5%まで低下しています。病院にさえ到達できれば救命できる時代となっています。

しかし…退院後3、4年でその1/3の方が心死亡、または心疾患入院を経験しているという研究があります。

心筋梗塞の救命率は改善されていますが、長期的な健康寿命の延伸までは繋げられていないのが現状です。

心不全パンデミック(大流行)

心筋梗塞だけではありません。狭心症、不整脈、弁膜症、心臓手術など、心臓を取り巻く病気の行きつく先に心不全がまっています。
高齢化に伴い、近い将来、心不全パンデミック(大流行)の到来が危惧されています。
様々な日常生活の制限や、心不全増悪の繰り返しによる全身衰弱の促進、入院の繰り返しによる本人及び家族の負担・・

そうならない為にも、日々の健康管理=心臓リハビリテーションがより重要となってきます。

専門スタッフがサポート

運動は自宅で一人でも出来ますが、医療スタッフと共に行う監視型運動療法でより効果が現れるとされています。

専門スタッフがサポート

医師が出来る事には限りがあります。
心臓や血管の病気と上手に付き合うには、
「皆さんの力=セルフケア」がとても重要です

医師のサポート=メディカルケア 皆さんの力=セルフケア

心臓リハビリの対象となる疾患

心筋梗塞・狭心症で治療中の方

心不全で治療中の方

心臓または大血管手術後の方

下肢閉塞性動脈硬化症で治療中の方

心臓リハビリテーションの効果

  • 運動能力が向上し、楽に動作できるようになる。
  • 狭心症や心不全の症状が軽くなる。
  • 不安やうつ状態が改善し、快適な社会生活を送ることができる。
  • 血管が自分で広がる能力(血管内皮機能)が上がり、動脈硬化のリスクが下がる。自律神経の働きがよくなり、動悸や血栓が起こりにくくなる。
  • 生活の質の改善(やる気や希望が沸いてきて、日常生活の快適度が高まります)
  • 心筋梗塞の再発や突然死のリスクが下がります。

1回の心臓リハビリプログラムは
60分間です

1回の心臓リハビリプログラムは60分間です

心臓リハビリテーションQ&A

リハビリはいつまで続けたらいいのですか?

リハビリはいつまで続けたらいいのですか?社会復帰のためのリハビリは数カ月を目安に行いますが、再発予防や良好な疾患管理を目指すには、期間を設けず可能な限り継続することが推奨されています。

利用頻度はどの程度が良いのですか?

利用頻度はどの程度が良いのですか?開始150日以降は保険適応の決まりで月4回までとなります。そのため、開始150日までは週2~3回と、利用頻度を高めた利用をお勧めしております。

自分で運動すれば同じではないですか?

自分で運動すれば同じではないですか?心臓リハビリは運動だけではなく、体調・疾患管理なども併せて、医療スタッフが小まめにサポートすることで、再発や病状の悪化を防げる可能性が高まります。ご自身での運動と併せて、週1度は心臓リハビリのご活用をお勧め致します。

運動が苦手ですが大丈夫ですか?

運動が苦手ですが大丈夫ですか?大丈夫です。当院で行う運動はスポーツとは異なり、自立歩行が可能な方なら、どなたでも出来るような運動種目です。
また様々な運動様式を採用しておりますので、 「これなら出来る」というものが
必ずあります。
また、スタッフがしっかりとサポート致しますので、 運動が苦手な方にこそ
ご利用いただきたいと思っております。

心臓リハビリ開始までの流れ

1診察

診察診察・運動負荷試験予約

診察診察・運動負荷試験予約適応の有無、また疾患や病状に応じた心臓リハビリの開始タイミングのご相談や運動負荷試験日を予約します。

2体験

体験体験・運動負荷試験実施

体験体験・運動負荷試験実施実際のリハビリを見学、もしくは体験していただけます。自転車エルゴメーターによる運動負荷試験を行い、負荷試験結果を元に運動プログラムを作成します

  • 自転車
  • ウォーキング
  • 筋力トレーニング

3開始

開始運動療法開始

開始運動療法開始心臓疾患専門のスタッフ、看護師、心臓疾患を経験した患者様の運動療法についての知識を持つスタッフが定期的に運動プログラムの見直しを行い、安全にかつ楽しく長く続けられるようにサポートします。

心臓リハビリでは、週に1~2回とこまめに医療スタッフとの関りを持つことになります。月に1度の診察との相乗効果でより健康的なライフスタイルを目指します。


コミュニケーションが健康をつくる
信頼関係が患者さんの健康を
守る鍵

院長 別府浩毅理事長
別府浩毅

メディカルケア&セルフケア
信頼関係を築き健康を守る

心臓疾患は、糖尿病や高血圧、運動不足など生活習慣に関わる病態がバックグラウンドとして存在します。医師が出来ることにも限りがあります。日々の食習慣、運動習慣など、皆様のお力もお借りして、治療効果の最大化を目指したいと考えております。
心臓リハビリはそのための有効な手段として取り入れています。

看護師 柴田有美看護師
柴田有美

診療室で話し足りないことを
話せる場所

多くの患者様にご来院いただいている反面、診察室でお1人お1人とお話が出来る時間にどうしても限りが出てきました。月1回の診察だけでは「話足りない」と感じられる方がいらっしゃることも承知しています。心臓リハビリでは、運動しながらゆっくりとお話を伺える場所としてもおすすめです。

心臓リハビリテーション指導士
中井美沙

運動以外にも大切なことがあります

「リハビリ」と名前がつきますが、運動療法だけを行うわけではなく、体調の変化がないか、お薬は飲めているか、食事が乱れていないか、自宅での運動が出来ているか、何か不安ごとがないか・・・等々、運動しながら日常生活全般の振り返りを行っています。こまめに医療スタッフとの関わりをもっていただくことで、安定した心臓病の管理を目指します。

患者さんへ当院がお伝えしたいこと

「運動は治療」

心臓リハビリテーションの軸は運動療法です。
心臓病を患っている方の場合、再発予防や日常生活の質を維持または改善させるために体力が重要です。しかし、体力を向上させる薬はなく、運動をするしか方法がありません。
また、やみくもに運動を行うことはかえって心臓や血管に負担をかけることになります。
当院では、経験豊富なスタッフが、患者さん一人一人の健康をサポートし楽しく心臓リハビリテーションをしていただける環境を作ります。

患者さんへ当院がお伝えしたいこと

心臓リハビリテーション
1時間の費用について

1割負担 約700円
2割負担 約1,400円
3割負担 約2,100円

※保険の自費負担率により金額が変わります

心臓リハビリテーションの
実施日について

心臓リハビリテーション
09:00〜10:00
10:30〜11:30
12:00〜13:00
13:30〜14:30
15:00〜16:00

休診:木曜午後・土曜午後・日曜・祝日

心臓リハビリテーション時の
持ち物について

心臓リハビリテーション時の持ち物について

心臓リハビリテーション時の持ち物について

服装
  • 動きやすい服装
  • 体温調整しやすい服装(脱ぎ着しやすい服)
  • 下履きで結構です
    サンダルなど脱げやすい履物は避けて下さい
その他
  • お茶、お水
  • タオル

心臓リハビリテーション来院数

心臓リハビリテーションとは「心臓病の患者さんが受ける運動療法・患者教育・生活指導を含めた治療プログラム」のことです。当院では心臓リハビリテーション指導士がサポートしています。

2017年度 2018年度 2019年度 2020年度 2021年度 2022年度
心リハ来院数 1,441 4,012 5,094 7,608 8,012

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