腎臓病と生活習慣病の改善について

腎臓病と生活習慣病の改善

腎臓病と生活習慣病の改善腎臓病においても、末期腎不全、ひいては透析医療への進行を予防すべく、薬物治療だけでなく、食事・運動療法も重要です。また、生活習慣でも工夫すべき点があります。糖尿病においても、糖尿病性腎症の進行を防ぐべく、看護師・管理栄養士・健康運動指導士など多職種による指導を行う場合があります。

腎臓病と食事

腎臓病と食事他の生活習慣病(高血圧・脂質異常症・糖尿病)と同様に食事療法が必要です。栄養バランスの取れた食事が基本となります。管理栄養士による栄養指導を受けるのもいいでしょう。

腎臓病に良い食べ物、
悪い食べ物について

他の生活習慣病(高血圧・脂質異常症・糖尿病)と同様に、適切なバランス・量を意識していただくのが基本ですが、以下の点を特に注意してください。

食塩

高血圧などの疾患と同様、減塩(できれば、1日6g以下)が推奨されます。

タンパク質

腎疾患では制限が考慮される一方で、制限を加えることが低栄養・筋肉量の低下を招く可能性もあるので、個々の症例に応じての判断が必要です。

あと、腎機能障害の進行によっては、以下の食べ物の制限も必要になってきます。
<なお、この話は該当するのは一部の方なので、必ずかかりつけ医とご相談ください>

カリウム

生野菜などに豊富に含まれ、通常は高血圧などでも“野菜をしっかり食べましょう”というのですが、腎機能障害が進行してカリウムの代謝が上手くできなくなった場合には制限(生野菜を控える・茹でて汁をこぼすなどの工夫)が必要になる場合もあります。

リン

タンパク質の多いもの、加工食品の食品添加物に含まれているものに対して注意が必要になります。

腎臓病と運動

腎臓病と運動以前は、腎臓病では「安静にして、運動はあまりしないように」という運動制限を行っていましたが、今は「体力・筋力が低下しないため(サルコペニア・フレイルを予防するため)にも、適度な運動をおこないましょう」と、いう方向になっています。
ただし、以下に記載しているのは軽度〜中等度の腎臓病がある場合を想定しています。年齢・合併症などによって個々の運動療法は設定する必要がありますので、気になる方はかかりつけの医師・医療スタッフにご相談することをお勧めします。

具体的には

有酸素運動

週150分以上を目安に、軽く汗をかく(ちょっとしんどいかな?)くらいの運動を行う(ウオーキング、サイクリングなど)を行うのがいいとされています。

レジスタンストレーニング

自体重で行える範囲の筋肉トレーニングは、筋力保持にも良いといわれております。

なお、激しい無酸素運動・筋力トレーニングを過度に行うことは、心臓・腎臓に負荷がかかるのであまりお勧めできません。

腎臓病とその他の生活習慣改善

その他に改善が必要な生活習慣には色々ありますが、以下の点が挙げられます。

喫煙

やはり、喫煙によってさまざまな有害物質を取り込むことで血管が痛みます。その上、腎機能障害も進行しますし、心疾患にかかる可能性も高くなりますので、禁煙が推奨されます。

飲酒

腎臓病に特化した明確な指標はありませんが、一般的に推奨ラインとされるエタノール換算で20g/日以下(ビール500ml、日本酒1合程度)を目安にしてください。

睡眠

適度な睡眠をとり、ストレスを貯めないのも必要です。なお、睡眠時無呼吸症候群では高血圧・心疾患のリスクが上昇すること、高血圧によって腎臓病も悪化することから、睡眠時無呼吸を疑う症状(昼間の眠気・起床時の頭痛など)がある場合は、検査・治療を受けることをお勧めします。

参考文献
エビデンスに基づくCKD診療ガイドライン 2018
腎臓リハビリテーションガイドライン

【執筆者】
医療法人糖心会べっぷ内科クリニック
理事長 別府浩毅

【執筆者】医療法人糖心会べっぷ内科クリニック
理事長 別府浩毅

専門資格

日本内科学会 認定内科医・総合内科専門医
日本糖尿病学会 糖尿病専門医
日本糖尿病・妊娠学会
日本糖尿病協会 療養指導医
日本循環器学会 循環器専門医
心臓リハビリテーション学会 心リハ指導士
日本腎臓学会
日本透析医学会 透析専門医

所属学会

日本内科学会
日本糖尿病学会
日本糖尿病・妊娠学会
日本糖尿病協会
日本循環器学会
心臓リハビリテーション学会
日本透析医学会

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