目覚めが悪い・寝起きが悪い
朝の目覚めが悪い、すぐにベッドから起き上がれない、頭痛や倦怠感がするといったことはありませんか?
きちんと寝ているつもりなのにそういった症状が続く場合には、睡眠時無呼吸症候群などの疾患も疑われます。
考えられる原因・疾患、またどのような検査を行っていくのか、ご紹介していきます。
考えられる原因・疾患
睡眠時無呼吸症候群
睡眠中に繰り返し無呼吸状態に陥る病気です。多くは、いびきを伴います。無呼吸やいびきは、なかなかご自身では気づけませんが、睡眠の質が低下しているために目覚めの悪さを伴います。朝、スッキリ目が覚めない、頭痛がする、睡眠時間は十分にとったはずなのに眠気が残っているといった場合には、睡眠時無呼吸症候群を疑います
睡眠障害後退症候群
遅寝・遅起き、週末の寝だめなどを原因として、体内時計が乱れるのが「睡眠障害後退症候群」です。
体内時計が乱れることで、起きようと思った時間になっても心身が十分に覚醒しません。また、日中にも強い眠気を感じます。
起立性調節障害
寝起きが悪い、頭痛、立ちくらみ、気分が悪くなる、動悸・息切れなどの症状が見られます。自律神経などに問題があり、身体の機能の調整がうまくいかないことが原因と考えられます。
小学校高学年から高校生くらいの年代で好発します。
体内時計の乱れ
私たちの体内時計は、約25時間周期で一周します。通常、日中に日光を浴びることなどによって、これが24時間で一周するように調整されます。
しかし、生活リズムの乱れや時差ぼけ、日光を浴びない生活などを原因として体内時計が24時間で一周しないと、寝起きが悪くなり、また日中に眠気を感じるようになります。
原因・疾患の検査について
睡眠時無呼吸症候群が疑われる場合には、問診で症状やライフスタイルなどについてお伺いした上で、ご自宅での簡易検査を行います。センサーを手指と鼻につけ、普段通りに眠っていただくだけの簡単な検査です。
必要に応じて、脳波なども調べられる精密検査を追加します。
検査結果について
睡眠時無呼吸症候群と診断された場合には、CPAP療法や生活習慣指導などの治療を行います。
それ以外の疾患が疑われる場合には、症状に応じた検査・治療を行ったり、各専門の医療機関をご紹介したりといった対応をいたします。
改善方法
寝起きを良くするための方法には、たとえば以下の方法があげられます。
睡眠前の入浴を徹底する
入浴によって一度身体を温め、その後冷えていくという過程が、入眠を助けることが分かっています。夏場などシャワーで済ませてしまうこともあるかもしれませんが、できるだけ入浴し、身体を芯から温めることが大切になります。
ただし、熱い湯にする必要はありません。ややぬるめの湯にゆっくり浸かるのがおすすめです。
自分に合った寝具を用意する
ベッドや枕の硬さ、使われている生地など、ご自分に合ったものに調整しましょう。また寝間着は、ジャージなどを代用するのではなく、しっかりと汗を吸い、乾きやすいものを選ぶことをおすすめします。
特に苦労されるのが、枕の高さかと思います。何度も買い替えるのは大変ですので、タオルなどを使って理想の高さを調べておくのが良いでしょう。
寝起きにコップ1杯の水を飲む
朝、常温の水をコップ1杯飲む習慣を身につけましょう。睡眠中に失った水分を補うとともに、胃腸を優しく呼び起こします。いきなりコーヒーや緑茶を飲むと、カフェインの作用によって水分が抜けてしまうため、注意が必要です。
寝起きが悪いことを「体質だから」と考えている人も少なくありません。しかし、十分な睡眠時間を確保しているにも関わらず寝起きが悪い、目覚めが悪いといった場合には、睡眠時無呼吸症候群をはじめとする病気の可能性を疑い、医療機関を受診する必要があります。
特に睡眠時無呼吸症候群は、狭心症や心筋梗塞、脳梗塞などの重大な疾患のリスクを高める病気です。放置せず、お早めに当院にご相談ください。