昼間の眠気・日中の眠気
夜更かしをしてしまい、翌日の仕事中に眠くなるというのは、誰もが一度は経験していることかと思います。しかし、早く寝たのに居眠りをしてしまう、そういった状態が続くという場合には、注意が必要です。
近年、不眠症をはじめとする睡眠障害でお悩みの方が増えています。睡眠に関する症状やさまざまですが、昼間・日中に生じる強い眠気、またその場合に疑われる疾患などについてご紹介していきます。
耐えられない昼間の眠気はなぜ起こる?原因を解説
睡眠時無呼吸症候群
夜間の繰り返しの無呼吸によって睡眠が妨げられ、起床後に寝足りない感じがしたり、日中に強い眠気に襲われたりします。肥満、のど回りの脂肪の沈着、扁桃・アデノイド肥大、舌が大きい、顎が小さい・後方に位置しているといったことが原因となります。
放置していると、高血圧や脳卒中、狭心症・心筋梗塞といった疾患のリスクが高まります。
ナルコレプシー、特発性過眠症
ナルコレプシーとは、夜間の睡眠不足がないにもかかわらず、突然の強い眠気が1日に何度も訪れ、日常生活に支障をきたしてしまう過眠症の1つです。睡眠麻痺、金縛り、入眠時の幻覚などの症状も伴います。
一方の特発性過眠症も、過眠症の1つです。こちらは日中に慢性的な眠気が続くという点で、ナルコレプシーと区別できます。倦怠感が強く、仕事・学習の効率は著しく低下します。
いずれも、周囲から「サボり」と見えてしまうことがあり、辛い思いをしている方が少なくありません。
反復性過睡症
睡眠障害の1つであり、稀な病気です。10代の、特に男性に多く発症します。年間を通して1回以上、3~5週間にわたる強い眠気が続きます。1日あたりの睡眠時間は、16時間以上に及び、その期間は通常通りの社会生活を送ることが困難になります。
はっきりとした原因は不明であり、治療法も確立されていません。自然に改善されていくケースがほとんどですが、寛解に至るまで平均14年かかると言われています。
うつ病
憂うつ、不安感、焦燥感、興味・関心の低下などの精神的な症状に加え、睡眠障害、食欲不振、倦怠感・疲労感、動悸、息苦しさといった身体的な症状を伴います。
これらの症状はほぼ1日中続き、これまで通りに日常生活を送ることが困難になります。うつ病は、職場・家庭・学校での環境などにより、誰もが発症しうる病気と言えます。
PMS
PMS(月経前症候群)とは、月経前の3~10日のあいだ、心身にさまざまな症状が現れ、月経の開始と同時に軽快・消失する病態を指します。はっきりとした原因はまだ分かっていないものの、女性ホルモンが大きくかかわっているものと考えられています。
身体症状としては、腹痛、頭痛、腰痛、むくみ、乳房の張り、めまい、食欲不振・過食などが、精神症状としてはイライラ、抑うつ、不安、不眠、日中の眠気などが挙げられます。
まずは睡眠時無呼吸症候群の検査を受けましょう
日中の強い眠気が続く場合に、まず疑われるのが睡眠時無呼吸症候群です。
当院では、丁寧に症状をお伺いした上で、睡眠時無呼吸症候群が疑われる場合には簡易検査を行います。
日中の強い眠気が何週間も続く方は、お早めに当院にご相談ください。
睡眠時無呼吸症候群でなかったら?
問診や簡易検査を行った上で、睡眠時無呼吸症候群以外の疾患が疑われる場合には、その診断のための検査をご案内したり、専門医療機関をご紹介したりといったことも可能です。
日中の眠気は、仕事上のミスや事故などにつながることもあります。どこに相談したらいいのか分からないという方は、ぜひ当院にご相談ください。
昼間の眠気でトラブルを起こす前に
眠気が連日、慢性的につきまとう場合には、仕事上のミス、会議中の居眠り、そして交通事故など、さまざまなトラブルに見舞われる可能性が高くなります。
「夜更かしをしたから翌日の午前中に眠気がある」といったように、明らかな原因のある眠気であれば、それほど心配はいりません。しかし、よく原因の分からない眠気が毎日続く、夜中にいびき・無呼吸が見られるといった場合には、お早めに当院にご相談ください。睡眠時無呼吸症候群をはじめとする疾患の可能性を考慮した診断、適切な治療を行います。