朝起きたときの頭痛
前日に深酒をした日、夜更かしをした日など、翌朝の起床時に頭痛がするということがありますね。
しかし、特に思い当たる原因がないのに起床後の頭痛が起こるという場合には、何らかの疾患を疑う必要があります。
考えられる原因・疾患について
睡眠時無呼吸症候群
睡眠中に10秒以上の無呼吸状態が繰り返される病気です。頭痛以外の起床後の症状としては、口内の渇き、身体が重い感じなどが見られます。また夜間のいびきや中途覚醒、日中の眠気や倦怠感・疲労感なども症状として挙げられます。
高血圧
高血圧によって脳の血管に過剰な負担がかかるため、起床後に頭痛が起こることがあります。
ただし、高血圧はもともと症状に乏しい病気です。健康診断で高血圧を指摘されたら、自覚症状がない場合も、必ず内科を受診してください。
脳腫瘍
良性・悪性を問わず、脳腫瘍によって脳内の圧力が高まり、起床後に頭痛が起こることがあります。
多くは起床直後が痛みのピークであり、その後正午までには解消します。それ以外の症状としては、吐き気・嘔吐、視力・視野障害、めまい、しびれ、麻痺、失語などが挙げられます。
偏頭痛・筋緊張型頭痛
起床時に脳の血管が拡張し、血流が増加することで偏頭痛が起こることがあります。
筋緊張型頭痛は、睡眠中の姿勢の悪さ、寝過ぎ、肩こりなどを原因として起こります。
睡眠不足
睡眠不足になると、起床時に頭痛や倦怠感などを感じることが多くなります。ただ、これは睡眠の質を改善することで解消できます。
食べ過ぎ・飲み過ぎ
食べ過ぎ・飲み過ぎをした翌朝も、起床後に頭痛が起こることがあります。睡眠不足と同様に、食べ過ぎ・飲み過ぎを控えれば翌日には起こりません。
原因や疾患の検査について
問診で症状などをお伺いし、睡眠時無呼吸症候群が疑われる場合には、ご自宅で受けられる簡易検査を実施します。簡易検査で診断に至らない場合には、脳波などについても調べられる精密検査を追加し、診断します。
検査結果について
睡眠時無呼吸症候群の診断がなされれば、その治療としてCPAP療法や生活習慣指導を行います。
睡眠時無呼吸症候群と診断されない場合には、その症状に応じた適切な検査を行い、治療へとつなげます。もちろん、他の医療機関へとご紹介するということも可能です。
改善方法
6~8時間程度の睡眠をとる
人によって、必要な睡眠時間は異なりますが、一般的には6~8時間の睡眠が必要と言われています。
睡眠時間が明らかに不足している場合には、少し早めにベッドに入りましょう。なお、寝過ぎや寝だめは生活リズムを乱したり、逆に頭痛の原因となることもあるため、おすすめしません。
首・肩に負担をかけない姿勢で寝る
寝るときの姿勢が悪いと、頭痛や肩こり、首の痛みの原因となることがあります。
首が反りすぎない、あるいは前に垂れすぎない適切な高さの枕を選びましょう。タオルなどを使って高さを調整してみるのも良いでしょう。
就寝前と起床後に水分をしっかりとる
水分が不足すると、血行が悪くなり、起床時に頭痛が起こりやすくなります。寝る前、そして起床直後も、コップ1杯のお水を飲むようにしてください。胃腸を刺激しすぎないよう、常温の水を飲むのがおすすめです。
ストレッチで筋肉をほぐす
これは日中にできる方法です。特にデスクワークなどを行う人は、同じ姿勢が長時間続くため、首や肩にこりが生じていることが多くなります。30分に一度は休憩し簡単な体操を行うなどして、首まわりの筋肉をほぐしてあげましょう。
血行が良くなることで、翌朝の頭痛が起こりにくくなります。
特に睡眠時無呼吸症候群を原因とする場合には、日中に強い眠気に襲われ、仕事や勉強の効率が落ちたり、思わぬミスをおかしたりすることもあります。また、睡眠時無呼吸症候群は生活の質を低下させるだけでなく、放置することで狭心症・心筋梗塞、脳梗塞などのリスクを高めます。
十分に寝ているつもりなのに起床時に頭痛がする、日中に強い眠気におそわれる、睡眠中にいびき・無呼吸が起きるといった場合には、お早めに当院にご相談ください。